ハードコア界の重鎮、Terror のスコットが予想以上に良い兄ちゃんだった件について。

0019753.png(347274 byte)

現在「Live by The Code」(「掟に従って生きる」の意)と名付けられた最新アルバムを制作中のテラーですが、ハードコア・バンドだからきっとメンバーの人柄も極悪なんだろうな。普段から怒ってるんだろうな。信号が赤にれば「ファックユー!」と言いながらアクセルを床につくくらい踏み込んで、ラーメンにコショーかけ過ぎたら怒りのワンマン・モッシュピットで店内を粉々に破壊し、レコーディングがうまく行かない時はスタジオの機材をぶち壊して逃亡する。そんな感じで毎日を過ごしているんだろうな。怖いな。

などと思っているそこの君!それ、ぜんぜんちゃうよ。かすってさえいない(汗)。

テラーのドキュメンタリー・ビデオを見れば分かる通り、ステージ上で狂ったように暴れまくるスコット(ボーカル)も一旦ステージを降りたら気の良い兄ちゃんだぜ。レコーディングだってめっちゃ真剣にやってるし、音楽に対する真摯な気持ちはそこら辺のメタル・バンドの比じゃないぜ、マジで。(と言ってもメタルも好きなんだけど)

ちなみにこのドキュメンタリー、Keepers of The Faith 制作時に撮られたもので、スコットが自分の生い立ちやテラーを結成するまでの歴史を生まれ故郷の色々な場所に訪れながら説明してくれる優れもの。なかなか見応えのある内容なのだけれど日本語字幕が付いてない!

ということで今日は少しだけ超訳をつけながら内容を紹介しようね。過去に在籍したバンドのライブ映像も入ってるからファンは絶対見るように!


※携帯で動画を見るにはここをクリック!

0006106.png(177853 byte)
ボーカルのスコット(Scott)がオーディエンスを前に「俺達はロックンロール・バンドじゃない。クールなバンドでもない!」と叫ぶところからビデオは始まります。(0分3秒

0018452.png(168862 byte)
名曲「Keepers Of The Faith」をバックにメンバー紹介です。(0分18秒

0019753.png(347274 byte)
ボーカルのスコット(Scott Vogel)。

0020120.png(156412 byte)
ドラムのニック(Nick Jett)。

0021054.png(261237 byte)
ギターのジョーダン(Jordan Posner)。

0024791.png(192573 byte)
もう一人のギターのマーティン(Martin Stewart)。

0025792.png(171336 byte)
そしてベースのデイビッド(David Wood)。

0048166.png(347916 byte)
ドキュメンタリーの序盤は、バンドの中心人物であるスコットが故郷の街を背景に生い立ちを語るところから始まります。(0分47秒

0049449.png(343619 byte)
スコットの生まれ故郷はニューヨーク州西部にあるバッファローだそうです。カナダとの国境にあるこの街、ナイアガラの滝があることで有名で冬はとても寒くなります。バッファロー・ウィングの発祥の地としても有名です。(0分49秒

0053587.png(398599 byte)
バッファローに隣接する5大湖の一つ、エリー湖でしょうか。浮かぶ氷がその寒さを物語っています。(0分51秒

0106033.png(449996 byte)

スコット:
「父親は外に女をつくってすぐに出て行っちゃったから、俺を含む3人の子供を育てるのに母親はとても苦労したと思う。当時は思わなかったけど今考えると凄い貧乏だったよ。お金がないから何度も引越ししなきゃならなかったし。

その頃は、出て行った父親は再婚して子供もいたからときどき遊びにいったりしてたんだけど、母親は寂しかったんだろうな。高校の同窓会で再開した男性とほんの数か月で再婚してテキサス州のヒューストンに引っ越すことになったんだ。

いよいよ引っ越すってなった時に父親が『テキサスに行きたくなければお父さんと一緒に暮らせばいいよ』って言ってくれて、結局、妹二人は母親とテキサスへ、俺は父親の家族とここバッファローに残ることにしたんだ。

その当時はスポーツが大好きで、他の事は何も考えられないくらい熱中してたんだ。でも、一緒に住むことになった義理のアニキの影響でアンダーグランドな音楽シーンに興味を持ってからは、すっぱりとスポーツはやめちゃったよ。

最初はヒップホップやメタル、例えばメタリカとかを聴きはじめて、その後ハードコアに出会ってからはもうそれ一辺倒さ」(0分53秒

0240460.png(412044 byte)

スコット:
「ハードコアを聴きはじめたころによく通ったリバー・ロック・カフェだよ。父親が出勤する時に使う高速道路が近くを通ってるから、高速の上で降ろしてもらってここまで歩いて通ったんだ」(2分39秒

0252572.png(320950 byte)
駐車場の奥に見える陸橋がその高速道路。(2分52秒

0303850.png(370470 byte)

スコット:
「実は俺の最初のバンド、Slugfest(スラッグフェスト)もここで最初のライブをやったんだ」(3分03秒

0312893.png(243948 byte)
当時のライブ映像が残ってました。(3分12秒

0341922.png(318825 byte)

スコット:
「通い詰めているうちにここのオーナーと仲良くなって、オーナーの息子がドラム、俺がボーカル、そして俺のアニキがギターでバンドを組むことになったんだ。それがスラッグフェストだ。メンバーがオーナーの息子だってのは凄く良かった。ここで自由に練習ができたし、ライブも優先的に出してもらえたんだ」(3分41秒

0430570.png(368087 byte)

スコット:
「音楽を聴きはじめた頃はアニキに連れられて、よくパンクバンドのライブを見たよ。でもパンクの雰囲気だけはあまり馴染めなくて、影響を受けたとすればその破壊力や攻撃性の部分だね」(4分21秒

0550250.png(395046 byte)

スコット:
「父親の家から追い出されて初めて一人住まいしたのがこの家」(5分50秒

0607563.png(320697 byte)

スコット:
「仕事はタクシーの運転手をしてた」(6分07秒

1309622.png(646220 byte)

スコット:
「バッファローのメインストリート、エルムウッド通りに来たよ」(13分09秒

1317563.png(262319 byte)

スコット:
「この後ろの建物のどれだったかなぁ…思い出せないんだけど、この中に「ホーム・オブ・ザ・ヒッツ」という名前のレコード屋があったんだ。

家は郊外で遠かったから誰かの車に相乗りして週2回は通ったよ。この店で最初に買ったハードコアのレコードは、シック・オブ・イット・オール(Sick Of It All)の7インチとチェイン・オブ・ストレングス(Chain of Strength)、サイド・バイ・サイド(Side by Side)、そしてノー・フォー・アン・アンサー(No for An Answer)のそれぞれ7インチをまとめて一回で買ったんだ。

それで俺の人生は決まったようなものだよ。その日を境にハードコアに夢中になった。音楽もそうだしパワーもそうだし、ファッションについても、それまでに知ってたものとはぜんぜん違ったんだ。もう秒殺だよ。一瞬で落ちた。

そしてその日からハードコアに関するモノはら何でも探したし何でも買ったね。本当に良いレコードショップだったなぁ…バンドTシャツもたくさん売っててさ。当時あの店で売ってたバンドTシャツが今手に入るとしたら、多分100枚はまとめ買いするね」(13分17秒

1335848.png(340701 byte)

スコット:
「でも残念なことにもうあのレコードショップは無いんだ。今じゃレコードもCDも誰も買わないもんな。無料でネットからダウンロードして終わりだから。あの店がもう存在しないなんてマジで悲しいよ」(14分11秒

1705758.png(402927 byte)

スコット:
「これが Buried Alive ってバンドをやってた時に住んでたアパートで、バンドメンバーのうち4人が同じビルに住んでた。女は入りびたりだったし、常に酔っぱらってるような状態でクレージーだったな。色々なバンドが泊まってったよ…

バンドが解散する直前の雰囲気はあまり良くなくて、他のメンバーが「ステージであまりハードコアって言うな」とか言い始めて、興味もハードコア以外のところに向き始めてるのが分ったらツアーの最終日にバンドを辞めて、当時のガールフレンドとカリフォルニアに引っ越したんだ」(16分51秒

1910349.png(405275 byte)

スコット:
「あと2週間で37歳になる。誰かに頭を下げなきゃいけないような仕事はもう9年くらいやってない。ツアーで地球を4周くらい周ったし好きな事をして生活しているよ。

たくさんのミュージシャンがシーンに登場しては消えて行ったけど、なぜ俺が今もこうして残っているのかは自分でもわからない。必ずうまく行く方程式を知ってるわけじゃないからな」(19分08秒

5553717.png(221781 byte)

スコット:
「韓国でプレイした時のことなんだけど、トイレに行ったら壁に Keep The Faith って言葉が書かれてたんだよ。バンド、Warzone(ウォーゾーン)が言ってた言葉だよね。ウォーゾーンは大好きなバンドで、音楽的にはそれ程影響は受けていないけど全体的な雰囲気や歌詞、そして彼らが信じていたこととか、そういう面でテラーは凄く影響を受けたよ。

ウォーゾーンは歌詞やTシャツのデザインとかにさっきの「Keep The Faith(信念を貫け)」って言葉をよく使ってたんだけど、俺的な解釈で言うとこの言葉は「どんなに困ったことがあってもあきらめるな」「ハードコア・コミュニティーで嫌な事があっても信じ続けろ」「ハードコア・シーンが流行で変わってしまっても、またいつか元通りになると信じ続けろ」「ハードコアを信じ続けろ」って意味なんだ。

だから韓国のライブハウスのトイレで小便をしながらこの言葉が目に飛び込んで来た時に思ったのは、「こんなに遠く離れた国でウォーゾーンを、そしてこの言葉を知っている人がいてクールだな」ってこと。そしてその瞬間に気が付いたんだよ。俺自身もハードコアに対する信念を貫いているんだから Keeper of The Faith (信念を貫く者) じゃないか!って」(55分50秒

…という感じでかなりプライベートな話を色々してくれます。

他にもスコットがテラー以前に組んでいたバンドのライブ映像や、他のメンバーが語る「あなたにとってハードコアとは?!」など、ファンは必見の内容が収められたビデオです。字幕なしでも彼らの情熱がばんばん伝わってくるので、ファンのみならず音楽を愛するあなたはぜひ見てね。

Keepers Of The Faith をはじめとする、メッセージ性の強いテラー・グッズはこちらからゲットできます

スコットもビデオの中で言ってたように、欲しいと思った瞬間に確保しておかないと永遠に後悔するのがバンドTシャツだから、マジで「これは!」ってのが有ったら速攻で申し込むように

ハードコア・バンドのグッズに隠されたメッセージとは?

それでは、上のビデオでは紹介しきれなかったメッセージ性の強いアイテムを紹介していくね!まずは、First Blood の They Drew First Blood ジップ・パーカーです。

まず最初にFirst Blood のバンド名そのものが映画「ランボー」の原題「Fisrt Blood」と重なります。ランボーの中でシルベスター・スタローン演ずるところのランボーとその上官の会話を見てみましょう。

ランボー:「俺は悪くない。くそったれの警官が俺をここまで追い込んだんだ。俺は飯が食べたかっただけなのに… 」

上官:「お前だってそうとう暴れただろ」

ランボー:「奴らが先に仕掛けたんだ ( They drew first blood, not me )」

こんなシーンがあるんです。奴らが先に仕掛けたんだ、と意訳しましたが、直訳すれば「先に血を流すようなことをしたのはあっちの方だ」の意味になります。

They Drew First Blood, Not Fucking Me. 「先に仕掛けたのは奴らの方だ!」!

かっこいい!世間や政府に対して「放っておいてくれ」「俺たちは自由に生きたいんだ」というメッセージが込められた名曲がこの「First Blood」、そしてこの曲のメッセージを落とし込んだジップパーカーがThey Drew First Blood ジップパーカーなんですね。

好きなファッションを楽しみ、大好きな音楽を聴いているだけ、迷惑なんかかけちゃいない!なのに色々と文句を言ってくる人、馬鹿にするやつ!「もっとまともに生きろや!」とか「ちゃんとした格好しろよ!」「大人になれ!」とかほざく人がいるけどほっといてほしい、邪魔しないでほしいですよね!

そんなうるさい音楽聴くな!とか言われるといってくるからぼくたちは、逆にボリュームを上げたくなりるんだよ!!!!!They Drew First Blood, Not Fucking Me.「先に仕掛けたのはお前らのほうだろ!」って…そういうメッセージでもあるんですよね!!


続いてはファースト・ブラッドの On Our Hands Tシャツです。

Worldwide Hardcore という言葉に挟まれて 「We All Have First Fuckin Blood On Our Hands」 と書かれていますが、これは Preamble という曲の一節ですね。

このフレーズ、We All Have First Fucking Blood on Our Hands (「俺たちの手は血で汚れている」の意味)は、人間すべてに対してのメッセージではないでしょうか?

それを理解して奪った命を食らい生きている、そのことに感謝して生きていくことが大事なんだと感じさせてくれるメッセージだと感じました。

ハードコアは歌詞も悪いことばかりであほっぽいと一般人は感じるかもしれませんが、メッセージ性はすべてのジャンルの頂点に立っているんですよ!

これも「沈黙は裏切り!」なので伝えていかなくてはいけません。メッセージ性を知ることでさらにカッコよく見えてしまうハーコー・アイテムです。


次は、ファースト・ブラッドの Not Your Enemy Tシャツです。

Enemy という曲からとった言葉で、直訳すると「俺たちはお前の敵ではない」というメッセージです。


次が Join Forces Tシャツです。

Unite And Join Forces 「一致団結しよう」という意味で、Confront のリリックにも登場するフレーズです。


続いては来日も楽しみなYour Demise の Never A Dull Moment Tシャツです。

「絶えず大忙し」という意味です。とにかく休んでいる暇はない、常に前進する、といったストレートでハードコアなメッセージを感じさせてくれますね。

次は Your DemiseのTell Me What You Think Tシャツです。

名曲 Burnt Tongues の中の一節ですよね。「俺の事をどう思っているか言ってくれ」というメッセージです。


最後はテラーです。

Terror のTシャツに書かれている「KOTF」は、アルバムタイトルにもなった“Keepers Of The Faith(信念の守護者)の意味です。

信念をどこまでも貫く者としてハードコアシーンを盛り上げていくんだ!という熱いメッセージが伝わってきます。


以上いろいろご覧いただきましたが、メッセージが込められたハーコーTシャツはまだまだたくさんあります。あなたが持っているシャツもよく調べてみてください。きっと何枚かは熱いメッセージを発しているはずです。

こう考えるとハードコア・グッズって、僕たちの生きる道しるべ、教科書みたいですね。

他のジャンルでは流行り廃りがあるけど、ハードコアはいつも進むべき道が明確に示されている気がします。そんなジャンルは他には無いのでは?!

今日このページで紹介したグッズに興味がある人は、このページにハードコア関連グッズを掲載しておくのでぜひチェックしてみて下さい。そして大好きなバンドのグッズを見つけたら、そこに書かれているメッセージを分析してみると楽しいですよ。お勧めです!

河内野ユズル

 
※ビデオの中で僕が着てた今日のバンドファッションをご紹介~

*Grave Takerは、Electric Zombie (エレクトリック・ゾンビ) のデザイナー、カイルが新しく始めたブランドです。

山本さんが選んだ2011年、もっともよく聴いた10枚が届いたぜ!!…

アンケート続々届いています!
ありがとう!

みんなが2011年注目した、よく聴いたバンドが知れてマジ嬉しいです!
(アンケートはまだまだ募集中です!)

コアなみんなが選ぶ2011年最も聴いた10枚
みんなで共有しましょう!

それでは早速ですが、
山本さんからの今年よく聴いた10枚を紹介しましょう!

■山本さんが良く聴いたジャンルは
デスコア, メタルコア, 叙情派ニュースクール(メタルコア)

■10■Arch Enemy – Khaos Legions
Yesterday Is Dead And Gone (OFFICIAL VIDEO)

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■9■Unearth – Darkness In The Light
“Eyes of Black” (OFFICIAL)

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■8■All That Remains – For We Are Many
“For We Are Many”

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■7■Five Finger Death Punch – American Capitalist
Back For More – New 2011 Studio Version Song – American Capitalist

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■6■Disturbed – Asylum
Asylum 2010 [HD720p] with Lyrics

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■5■Terror – Keepers Of The Faith
Keepers Of The Faith (OFFICIAL VIDEO)

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■4■The Ghost Inside – Returners
Unspoken” Official HD Video

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■3■Killswitch Engage – The End Of Heartache
“The End of Heartache” w/ Phil Labonte

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■2■Lamb Of God – Sacrament
Walk With Me In Hell @ Download ’07

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

■1■Suicide Silence – The Black Crown
You Only Live Once (OFFICIAL VIDEO)

※携帯で動画を見るにはここをクリック!

メタルコアを中心に幅広いセレクトです!
山本さんありがとう!

このセレクトもクリスマスのパーリナイの参考にさせていただきますね!!

アンケート続々届いています!
スーサイド・サイレンスはほぼみんなのアンケートに入っている!
賛否両論って言ったけど、みんな愛聴しているんですね!

嬉しいな~~!

アンケートまだまだ募集中です!